いつも木花を思ってくださりありがとうございます。
そして、木花と同じように「お兄ちゃん」のことをご心配いただく声をたくさん頂戴しており、その思い、あたたかいお言葉に胸を熱くしております。
心より感謝いたします。
今回はお兄ちゃんのことを少しお話しさせて下さい。
*
お兄ちゃん。
木花が国立成育医療研究センターに転院し、
「この手術が延期になったら持ちません。」
そう断言され、補助人工心臓の装着していただいた2020年3月。ちょうど同時期にコロナが猛威をふるい始めました。
病院の子供たちを守るため、面会や付き添いの規制が厳しくなりました。
休日はお兄ちゃんも病室に入って、家族みんなで一緒に過ごすことができるよ、と聞いていましたが、両親も同時には病院に入れず、結局お兄ちゃんは病院に立ち入ることさえできませんでした。
往復4時間かかる週末の交代についてきて、とんぼ返りする生活が続きました。
私たち両親が必死に駆け抜けていた時間、お兄ちゃんは、お兄ちゃんなりに、何か自分ができることはないか、と考えてくれていたんだと思います。
お兄ちゃんは、木花に会えない代わりに、私たちにパワーを与え続けてくれました。
私たちにとって、元気の元だったお兄ちゃん。
実は、木花の心不全が悪化していった去年の年末頃から様子がおかしくなって、
「なんだかパワーが出なくなっちゃった」と言うようになりました。
この時ようやく、お兄ちゃんのことを後回しにし続けてしてしまったことに気づきました。
そして、お兄ちゃんがいるからこそ、お兄ちゃんと木花を会わせるために、私たちは頑張れていることに気づきました。
お兄ちゃんは木花の不調を感じ取り、「もしかしたら、もうこのまま木花に会えないのかも」と思い始めてたのかもしれません。
この事をすぐにプライマリー看護師さんに相談し、どうか、ひと目でも会わせてあげたい。そう、お願いしました。
*
2021年2月。嬉しいニュースが飛び込みました。
病院の計らいで、ソニーさんと試作中の「窓」というシステムを利用し(※)、
「オンライン」ですが、木花の3歳のお誕生日を家族揃ってお祝いできることになりました。
窓越し面会ではないけど、オンラインで会えるよ、どうかな?
お兄ちゃんに伝えた時、
「大人たちが考えた一番近い場所でしょ!俺は嬉しい!!!」と張り切ってサプライズ企画を考えました。
そして本番。緊張して病院内おもちゃライブラリーへ。
そこには等身大に映し出される木花の姿!
どんなお部屋で過ごしているのか、大きな窓からのぞいて話すことができるような感覚!
「どこでも窓だ!!!」
ドラえもんの世界から飛び出てきたようなハイテク機器を目の前に、終始大興奮でした。
お兄ちゃんのサプライズ企画も大成功。
疎外感を強めていたお兄ちゃん。オンラインでも等身大の木花に会えたこと、病院内に入り関係者とコミュニケーションを取れたことで安心したのか、息を吹き返したように元気になりました。
少し照れながらも、嬉しそうに遊ぶキラキラとした二人の笑顔。
今でも私の脳裏に焼き付いています。
「お兄ちゃんと木花を絶対に会わせる!」という決意はこの日から変わっていません。
「木花のことをありがとう!おつかれ!」そう言いながら、笑顔で肩もみをしてくれる
お兄ちゃんのその手が、どんどん大きくなっていることを感じながら。
みなさまの応援を心身中に蓄えて、
もうすぐその日が来ることを確信しながら。
これから一世一代の挑戦に向かう準備をいたします。
みなさま、ここまで連れてきてくださり、本当にありがとうございます。
心より感謝いたします。
えいえいおー!!!をいつも胸に。
これからも家族一丸となりがんばります!!!
感謝と決意を込めて。
木花母より
※ソニー テレプレゼンス システム「窓」